本記事はポリプテルスセネガルスの飼育記録です。
ポリプテルスセネガルスはポリプテルス目・ポリプテルス科に属する魚類です。一本の背鰭ではなく、7本から18本の背鰭が連なる独特の形状を持つ長細い魚です。それぞれの背鰭には棘が2つあります。棘を持つのはこれらの背鰭だけで、他の鰭は軟らかい放射状の構造です。体は厚くて骨のようなひし形(ガノイド)の鱗で覆われています。顎の構造は、真骨魚類ではなく四肢動物に近いです。肉づきのある胸鰭も持っており、また、頭の上部には大きな割れ目のような鰓裂があり、これを使って空気を呼吸します。さらに、2つの喉板と対になる腹側の肺(左の肺は右の肺より短い)も持っています。現生のポリプテルスは計17種で、体長は25cmから100cm以上になるものまで種により異なります。ポリプテルスセネガルスは飼育下では20-30cmくらいにしか大きくならないことが多いため、60cm水槽で飼育可能とされています。柄のないシンプルな体表をしており、アルビノやプラチナ(白色個体)、ヒレ長などの特殊個体が作出されている種です。
引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Bichir#Polypterids_as_aquarium_specimens
飼育設備
鈴木製作所らんちゅう水槽(60cm×45cm×高さ30cm 水量:約65L)にて飼育しています。一般的な60cm水槽(60cm×30cm×高さ36cm 水量:約57L)よりも奥行方向に幅をとりますが、10%程度水量が多くなり高さが6cm低くなるのでメンテナンスがやり易くなります。水温管理は、夏場にエアコン、冬場は水中ヒーターとしています。
ポリプテルスは鰓呼吸と肺呼吸との両方で呼吸します。肺呼吸の際は勢いよく水面まで上がるので水槽のフタにぶつかってしまうことも考えられるので水面の高さはフタから5cmくらい低い位置にします
生体動向
水質検査結果(直近三か月)と給餌量をグラフ化して経過をみます。飼育設備の濾過(糞や食べ残した餌から出る毒を弱化させる)能力と与える餌のバランスをとる目的です。水質はテトラのアプリと検査試験紙(6in1)で確認しています。続けることが大事と考えて、できるだけ簡単な方法を選択しています。
Jul.3rdから上昇していたNO2およびNO3が降下傾向に入りました。給餌量を抑えたことが効いているようです。窒素成分は給餌量で制御できるといえそうなデータが取れました。
水質検査で重要視しているものはNO2(最適数値は0.30mg/L以下)とNO3(最適数値は25mg/L以下)、pH の3点です。
NO2やNO3は生体の代謝物や排泄物を分解する過程で発生するものです。水中に多く存在するとそれを餌とする菌が増えます。その中には生体の病気の原因となる菌もいるので低い値で留めるよう給餌量に気を付けていきたいです。pHは飼育水中の水素イオンか水酸化物イオンのどちらが多いかを数値化したものです。生体は飼育設備に満たされている水のpHに順応しています。順応していたpHから急激に変化すると再度順応するために消耗します。換水時は水道水(pH7.5程度)を追加します。上記の代謝物や排泄物の分解ではNO2を作りつつpHを低下させるイオンが発生するので給餌量を調整しながら可能な限りpHは7付近で維持したいと考えています。
餌は人工飼料「グロウF」。今月はNO2とNO3値を下げる目的で朝のみ1~2粒与えました。飽きてきたのかグロウFへの食いつきが悪い。久々にクレストフリークボトムズを与えて様子見してみようと考えます。崩れにくいので吐き戻ししないようならボトムズをメインに与えていきたい。
その他、偶のおやつ程度にミナミヌマエビを数匹。ベランダや小型水槽の景観維持のため導入しているエビたちですが増えすぎると突然大量死するようなので活用。
振り返りと今後の方針
この子をお迎えして3年目に突入しました。どれくらい大きくなったかはこの通り。
2年目はほとんど体長は伸びていない模様。若干太さを増したかな?といった印象です。
この子をお迎えして3年目に突入しました。どれくらい大きくなったかはこの通り。
2年目はほとんど体長は伸びていない模様。若干太さを増したかな?といった印象です。今のところ拒食もなく壮健な様子。おそらく飼育環境が不適ではないのであろう。引き続き現状維持していきたい。
本記事は小型古代魚 ポリプテルスセネガルス の単独飼育の状況(お迎えしてから25か月目)を書き留めたものです。
この1年で飼育のルーチンはほぼ固定化されました。よって月一で記事を書いていた頻度を大幅に抑えます。設備を大幅に弄ったとか、調子を悪くさせたとか何かしらの転機がない限りは、年1回の成長記録くらいにしようかなと(つまりは書くのが辛くなったっす)。
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