アクアリウムに興味を持って、いざ始めてみようとした際に、誰でも「まずは手軽にできる範囲で」と考えて小型水槽の立ち上げを考えるのではないでしょうか。小型水槽は扱う水量が少ないことがメリットであり、デメリットであると考えます。その点に注意して日々のお手入れに気を付けていれば思い描いていたに近いアクアリウムの楽しみを感じれると存じます。
小型水槽のメリット・デメリット
メリット
・メンテナンスが容易
・省スペースで設置可能
デメリット
・水質・水温の変化が激しい
・飼育できる生体の品種・数は少なめ
本記事は2021年2月に立ち上げた25cmキューブ水槽の状況報告です。結果としては曲がりなりにも1年維持することができました。これから小型水槽でアクアリウムをはじめようとなさっているアナタのご参考になれば幸いです。
飼育生体
導入している生体のリストです。
- ミナミヌマエビ(5匹以上。世代交代はできている模様。稚エビの数は不明。)
- アカヒレ(1匹)
- アフリカンランプアイ(5匹導入→2匹生存)
- マツモ
- ウィローモス
- ミクロソリウム
- アヌビアス・ランケオラータ
給餌はアカヒレとアフリカンランプアイを対象に週に5回、1回につき1匹当たり小型魚用の人工飼料を2~3粒与えました。ミナミヌマエビは上記の食べ残しや水草に付着するコケなどで食いつないでいる模様です。人工飼料は生体を購入する際に店舗で与えられているものと同じものを与えるようにしています。
水換え頻度としては週1回、水槽内飼育水全体量の1/3程度。水を抜く際は底面に溜まる糞などを吸い出しします。作業時間としては60分以内に完了します。水換え用具としては手動のポンプと吸い口の広めなスポイトが便利です。ガラス面はメラミンスポンジできれいにできます。1cm厚程度に薄く切るとより便利です。
飼育設備
品目 | 商品名 | 備考 |
---|---|---|
水槽 | アクロ 25cmキューブ水槽(単体)アクロ25N | フタ付属 |
濾過フィルター | GEXメガパワー2045 | 濾過容量:1.1L ホース径:8/12mm |
水温計 | GEXクリスタル水温計 SS | |
ヒーター | 水作 アクアパネルヒーター 12W | 厚み5mm |
ウールマット | ノーブランド ウールパッド 外部フィルター用 2045(6枚) | 消耗品 月1回交換 |
活性炭 | GEX メガバイオカーボン 220g(110g×2袋)2045用 | 消耗品 月2回交換 |
濾過材① | ウォーターエンジニアリング リバースグレイン フレッシュ | 消耗品 半年1回交換 |
濾過材② | GEX クリーンバイオリング | メガパワー2045付属品 |
ライトについて、水槽の隣で展開しているLED水耕栽培(点灯時間は16時間)の光が当たっているので使用していません。
水温については夏場は空調管理(28℃以下目標)。冬場はヒーター併用で20℃を下回らないようにしました。
濾過材①のリバースグレインは一袋分を半年で更新しています。
濾過材②のクリーンバイオリングは1年以上継続使用中です。この水槽の水質維持を担っているバクテリア群の住処となっているであろうから限界まで使用したいと考えています。限界かどうかの見極めは日々の生体の観察でなんとなく判断できるかなと。
水質推移
水質悪化を未然に防ぐ目的で月一回は水質調査を実施しています。履歴から急激な変化が見られればウールマットや濾過材の交換、水中ポンプのインペラー洗浄といった機材の見直しを実施します。年間の水質推移は下記のようになりました。
水質調査にはTetra Test 6in1を使用しています。携帯アプリによる色?画像処理?で数値が算出されているようで誤差はあるかと存じますが大まかな指標として使えるものと考えています。
結果から、徐々にpHが低下していることが伺えます。生物濾過の働きにより生体の排泄物が分解される際には水素イオン(酸性に傾けるもの)が発生することが影響していると考えます。
NO2については2022.Jan.の検査でおおきく上昇していることを確認しました。そのため継続使用している濾過材のお手入れ(飼育水で軽く濯ぐ)を行いました。次月で数値は落ち着いたため効果はあった模様です。
NO3があまり検出されていないのは水草の生長に上手く使われているのかなと想像しています。
反省と今後の方針
25cmキューブ水槽を立ち上げた目的はアフリカンランプアイを飼育したいという欲を満たすことでした。アフリカンランプアイはメダカと同程度サイズの小型魚です。ネットの掲示板などでみるメダカ飼育数の目安(1匹につき1L)を基準として、25cmキューブ水槽の容量としては約13Lなので5匹くらいは余裕だろうと考えて飼育をスタートさせましたが1年後に生存していたのは2匹でした。
死因は、水槽からの飛び出し(1匹)、謎の衰弱(2匹)です。いずれも水槽立ち上げ3か月以内に発生しています。衰弱に関しては最初の水槽の水質とアフリカンランプアイの飼育環境とが合致していなかったのではと推測しています(水道水と同等程度は良くない?)。飛び出しはフランジ代わりになる水槽フタ受けを設けても発生したので諦めました。
さて、2匹になってからは安定しているようですが、力関係があるからか、1匹が追いかけ回されている様子を頻繁にみます。どこかのタイミングでランプアイを追加導入し、力のバランスを整えていきたいと考えています。おそらく現状の水質ならば、その不一致によって命を落とすリスクは小さいかなと考えます。それでもダメな場合は飼育にはそれなりに広いスペースがいる(十分に泳げないとストレスが溜まる?)といった別の要因があると考えるのでそれを探っていきたいかなと(より大きな水槽の立ち上げには家族の了承が必要なので難しそうですが)。
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