ポリプテルスは約4億年前に発生し、その頃から現代までほとんど形を変えずに生きている原始的なお魚です。シーラカンスと同様に生きた化石といえる古代魚です。アフリカ大陸に原生しており、体長100cmを超えるものから成魚でも30cm程度に留まるものまで存在します。ブリードも盛んであり、ホームセンターに入っているペットショップでもよく見かけられるかと存じます。
本記事はポリプテルスセネガルスの飼育記録です。
ポリプテルスセネガルスは60cm水槽で飼育可能といわれ、比較的安価であることから古代魚飼育の入門種とされています。柄のないシンプルな体表をしており、アルビノやプラチナ(白色個体)、ヒレ長などの特殊個体が作出されている種です。
飼育設備
鈴木製作所らんちゅう水槽(60cm×45cm×高さ30cm 水量:約65L)にて飼育しています。一般的な60cm水槽(60cm×30cm×高さ36cm 水量:約57L)よりも奥行方向に幅をとりますが、10%程度水量が多くなり高さが6cm低くなるのでメンテナナスが容易になります。肘まで濡らすなんてことはほぼありません。水温管理は、夏場にエアコン、冬場は水中ヒーターとしています。
ポリプテルスは鰓呼吸と肺呼吸との両方で呼吸します。肺呼吸の際は勢いよく水面まで上がるので水槽のフタにぶつかってしまうことも考えられます。よって水面の高さはフタから5cmくらい低い位置にしています。
生体動向・今後の方針
水質検査結果(直近三か月)と給餌量をグラフ化して経過をみます。飼育設備の濾過(糞や食べ残した餌から出る毒を弱化させる)能力と与える餌のバランスをとる目的です。水質はテトラのアプリと検査試験紙(6in1)で確認しています。続けることが大事と考えて、できるだけ簡単な方法を選択しています。
重要視しているものはNO2(最適数値は0.30mg/L以下)とNO3(最適数値は25mg/L以下)、pH の3点です。
NO2やNO3は生体の代謝物や排泄物を分解する過程で発生するものです。水中に多く存在するとそれを餌とする菌が増えます。その中には生体の病気の原因となる菌もいるので低い値で留めるよう給餌量に気を付けていきたいです。pHは飼育水中の水素イオンか水酸化物イオンのどちらが多いかを数値化したものです。生体は飼育設備に満たされている水のpHに順応しています。順応していたpHから急激に変化すると再度順応するために消耗します。換水時は水道水(pH7.5程度)を追加します。上記の代謝物や排泄物の分解ではNO2を作りつつpHを低下させるイオンが発生するので給餌量を調整しながら可能な限りpHは7付近で維持したいと考えています。
2週目から4週目にかけてNO3値が急上昇してしまいました。ポリプの食欲が良好で直近二ヵ月は1.5~2倍量の餌を与えていた付が回ってきたというところでしょうか。現状ポリプの体調は良好な模様。餌の与えすぎで過去一水質が悪化していても目立った不調はなさそうですが、給餌量を抑えつつ様子見します。餌は人工飼料「グロウF」。朝晩2回に分けて1~2粒ずつ与えます。
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本記事は小型古代魚 ポリプテルスセネガルス の単独飼育の状況(お迎えしてから24か月目)を書き留めるものです。
ここに書き留めた内容が熱帯魚飼育をはじめる切っ掛けや何かしらの役に立てば幸いです。
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